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神「大変な世の中ですよ」
西「まったくだね」
神「とにかく外に出られないからね」
西「僕もずっと家に籠もりっぱなし」
神「ああ、やっぱり」
西「リンリンハウスにね」
神「テレクラじゃねえか!」
西「確かに密閉はされてます。ただ、個室なんで、密集はしてません」
神「どうでもいいよ!」
西「嬢との密接なやりとり、これはご勘弁を」
神「うるせえよ!どうせサクラだろ!」
西「なんなんですか、あなた。さっきから、カリカリして」
神「お前がこのご時世に不謹慎なこと言うからだろう」
西「このご時世って、あなた、大げさな(笑)。中世ヨーロッパの黒死病かっつうの」
神「笑ってる場合か!ほとんどそれに近い状況なんだよ!」
西「えっ、そうなんですか」
神「世界中が大パニックだぞ。何も知らないのか」
西「お恥ずかしい。なにしろダイヤモンド・プリンセスからリンリンハウスに直行したもんだから」
神「クルーズ船の乗客じゃねえか!当事者すぎるだろ!」
西「でも大丈夫。俺は感染しないから」
神「そういうこと言う奴が無自覚に出歩いてウイルスを撒き散らすのが問題なんだよ」
西「なにしろ、もう三回も陽性になってますからね」
神「じゃあもうさすがに感染しねえよ!たぶん!」
西「辛かったですよ。まず、食べ物が美味しくない」
神「味覚と嗅覚が失われるらしいからね」
西「誰のウンコを食べても一切、見分けが付きませんから」
神「唐突に食糞趣味をカミングアウトするんじゃねえよ!」
西「あとやっぱり高熱」
神「辛いだろうな」
西「水風呂が一瞬で熱湯になったり」
神「えっ」
西「体から黒煙が上がったり」
神「それはないだろ」
西「あ、ごめん。これは平清盛のエピソードトークだった」
神「なんだよそれ!そもそも平安時代にエピソードトークとかいう概念ねえよ!」
西「呼吸も苦しくてね」
神「呼吸困難の症状まで」
西「しまいには器具を挿入しましたよ」
神「人工心肺ってやつか」
西「いや、ひとつながりの玉を順繰りに直腸に挿入したんだけど」
神「アナルビーズじゃねえか!」
西「感染症にはこれが一番」
神「感染症対策でもなんでもねえわ!ただの性癖だろ!呼吸が苦しいってのもウソか」
西「そこは信じて。口が閉じれないから、よだれも垂れ流し」
神「ギャグボール咥えてんじゃねえか!さっきから単なるSMだろ!
…ちょっと待て、ダイヤモンド・プリンセスって、さてはSMクラブの店名か!」
西「それはもう宝石のような女王様でした」
神「やかましいわ!完全に濃厚接触じゃねえか!」
西「おい失敬だな。女王様に指一本触れるどころか、顔を見ることも許されない、これが俺たち奴隷のプライド。濃厚接触の真逆だぞ!」
神「そういうもんなの」
西「最終的に小便は飲むけどね」
神「意味ねえだろ!」